○300
映像 |
8点
|
ストーリー |
6点 |
キャラクター
|
7点 |
音楽 |
8点 |
魅力 |
7点 |
総合得点 |
36点 |
感想
<あらすじ>
古代ギリシャの都市国家スパルタの王レオニダス1世は、決断を迫られていた。
アケメネス朝ペルシャのクセルクセス1世によるギリシャ征服が進行し、その牙がスパルタまで届こうとしていたのである。
しかし、ペルシャには敬意がなかった。
レオニダスは、ペルシャからの降伏勧告を伝えに来た使者を殺害し、ペルシャとの戦端をきることを決定した。
だが、神官による神託によって縛られるスパルタの法は、祭りの日が近いことを理由に、レオニダスに軍を動かすことを認めなかった。
すでに、スパルタの有力議員とクセルクセス王によって、神官たちは買収されていたのである。
王でさえも法には逆らえないスパルタで、レオニダスは「出かけてくるだけ」という方便をもって、この神託を破ることに決めた。
しかし、レオニダスとともに戦地に赴く手勢は、スパルタの精鋭300人のみであった・・・
とにかく、スパルタが強い。
隘路を使って圧倒的な戦力差を無効化し、スパルタ式の教育法アゴベによって鍛え上げられた肉体と戦闘術によるファランクスで敵をバッタバッタとなぎ倒す。
映像も背景までCGという、CGをふんだんに使った作品で、その美麗さは、凄い。
全体的に、黄色がかった画面は、紀元前という時代背景、元から勝ち目のない戦いを挑むスパルタ人たちの戦闘の雰囲気を上手く表現できているように思います。
ただ、思ったより迫力がなかったな、というのが僕の感想。
なぜなら、戦闘シーンがなぜかほとんどスローモーション。
ああいう演出は、「ここぞ」という時にやるから映えるのであって、多用するとテンポが悪いだけです。
特に、少数対多数の戦闘にあって、重要なのは、味方が圧倒的な力で敵を次々なぎ倒していく、爽快感とスピード感です。
正直、背景やスパルタ人たちのえげつないほどの筋肉美など映像は綺麗なのですが、それらの魅力を本来なら作品の目玉となるはずの戦闘パートで半減させています。
戦闘自体も、これが重厚な歴史アクションであれば、問題ない出来だったのですが
これは、アメコミ、娯楽映画のはずです。
やりたいことが作品のコンセプトとチグハグになっている気がします。
あと、ストーリーがほとんど語り部によるダイジェスト、回想形式で語られていることも残念だった部分。
ストーリー自体は、歴史にあるとおりですし、脚色部分も良いのですが、このやり方はいけないです。
なんというか、盛り上がるべきところで盛り上がれない。
戦闘もねえ、語りじゃなくて大ボリュームのBGMとともに観たかったのですよ。
加えて、勇猛果敢なスパルタ人たちは、きっと良いキャラクターのはずなんです。
でも、レオニダス以外全然個性ないし、レオニダスだって見せ場で、語り部がしゃべっちゃうから、典型的な憧れ型の主人公なのに憧れるほどのキャラも出ていないわけです。
このダイジェスト形式、大事なところで語り部がしゃべっちゃう構成は、ホントいけないですね。
これがなければ、もっと長尺になっていたでしょうが、恐らく魅力は倍増したと思います。
それだけ、魅力的な設定が溢れている映画でした。
ああ、でもラスト10分くらいは、とても良かったです。
でも、持って行き方がなあ・・・惜しい映画です。
まとめますと
画面はCGで埋め尽くされ、しかも原作がアメコミの割に、落ち着いた歴史映画になっている印象。
決して出来は悪くないのですが、期待とは違いました。
ストーリーは、展開の方法が悪い。
というか、戦闘のスローモーションの多用とこれ以外には悪い部分はありません。
しかし、これらが致命的に駄目だった。
そんな悪点があるにも関わらず、しっかりと観れる映画だったことは、この作品の設定部分やコンセプトに大きな魅力があったことを示しています。
それを活かす方法を間違えた。
そういう、惜しい作品だと、僕は感じました。
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