○縞模様のパジャマの少年
映像 |
8点
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ストーリー |
10点 |
キャラクター
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9点 |
音楽 |
8点 |
魅力 |
9点 |
総合得点 |
44点 |
感想
<あらすじ>
ブルーノの父は軍人で、最近昇進した。
その父の仕事の関係で、ベルリンから田舎へと越してきたブルーノは、友達も自由に遊べる場所もない新しい家に、早くも嫌気がさしていた。
しかし、彼には一つだけ興味がわく場所があった。
それは、ブルーノの部屋の窓から見える「農場」である。
そこでは、大人も子供も昼になってもパジャマを着ているのだ。
ある日、ブルーノは、「行ってはいけない。」と言われている「農場」の方へ、大人の目を盗んで出かける。
そこには、有刺鉄線で区切られた「農場」があり、一人の少年が柵の向こう側に座り込んでいた。
その少年は、シュムールと名乗り、歳が同じであることを知った二人は、だんだんと交流を深めていく・・・。
悲しいのだけれど、とても純粋な友情の物語です。
物語冒頭で、子供時代とは、分別を覚える以前に自分の感覚で物事を学ぶ時期である。という言葉が流れます。
良い言葉です。
子供時代には、差別や偏見なんてものは存在しないのです。
だからこそ、作中でブルーノとシュムールは友人になれたのです。
ドイツ人とユダヤ人。
ナチスドイツの時代には、この二つの民族は、相容れるものではありませんでした。
でも、そんなものは、大人たち、政党が作り上げたものであって、子供たちには何の関係もない。
ただ、相手が自分の気に入る人間かどうか、遊んでいて楽しいか、それだけなんですよね。
いつだって、子供を壊すのは親です。
必要な知識と共に、くだらないしがらみまで子供に与えてしまう。
でも、そういうのは大抵、親からすれば心配で言ってしまうことなんですよね・・・。
ブルーノとシュムール。二人の友情と共に描かれるのが、そんな親、兄弟、家族の物語です。
観てると・・・もう・・・なんつーか、いかんのですよ。
親だって、絶対の価値観で動いていないから、それに子供は過敏に反応してしまうんです。
歳の近い姉は、どんどんとナチス側の人間になっていく。
すべてが、引越しから狂い始めてしまった。
でも、ブルーノにとっては、掛け替えない友人を手に入れることになった場所でもあったのです。
こんな凄惨なラストは、そうありません。
傑作です。
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