○ハッシュ!
映像 |
7点 |
ストーリー |
7点 |
キャラクター |
8点 |
音楽 |
8点 |
魅力 |
6点 |
総合得点 |
36点 |
感想
<あらすじ>
直也と勝裕は、ゲイのカップルである。
ペットショップに勤める直也は、既に周りの人間に自分がゲイであることを暴露しており、ゲイであることに一種の覚悟を抱いている。
一方、土木研究所に勤める、勝裕の方はと言えば、カミングアウトもできず、ゲイである自分を卑下するような態度さえ取ることがある。
そんな二人は、ある日蕎麦屋で店員ともめている女と出会う。
傘がなくなってしまったと怒っている女を直也は当然のように無視するが、勝裕は自分の傘を貸す。
それがきっかけとなり、後日、その女、藤倉朝子は、唐突に勝裕に「一緒に子供を作らないか?」と提案してくる。
面白い作品なのだけれど、やはりゲイ、やおい物ということで。
「ヤマなし、オチなし、イミなし」の三拍子揃った作品です。
脚本とキャラが秀逸で、味のある出来栄え。
キャラの掛け合いは、凄く楽しい。
キャラの掘り下げや感情描写なども、しっかりとしています。
しかし、魅力的かといえばどうでしょう。
ストーリーも、どこかフワフワとしていて、コメディタッチの軽快な印象であると同時に、イベント一つ一つの意味が分かりにくく、結果、それがラストへ繋がるということもなく、一つの始まりから終わりを描く作品としての出来には疑問が残ります。
恐らく、これは日常とちょっとしたイベントを切り取った作品であって、始まって、盛り上がって、その結果があって・・・という作品ではないし、そういうコンセプトではないのでしょう。
そういう意味では、現実にあった少し面白おかしいゲイカップルと女性の不思議な関係を映画化したといわれても疑問に思うことはないです。
実際、一つ一つを切り取れば、出来がいい、面白い作品です。
ですが、フィクションとしては、出来損ないですね。
例え、あざとくても、結果が欲しい。
結果がこうなら、それを納得させるだけの過程が欲しい。
何はなくとも、パワフルな盛り上がりや泣き場が欲しい。
フィクションは、所詮、自分の思い通りにできる、都合のいい物です。
いくらキャラを作りこもうと、悲惨で主人公格でさえ死ぬような物語でも、どこまで行ってもフィクションはフィクション。最後は、自分の思い通りです。
だから、せめて観客を納得させるものがフィクションには必要なんだと、僕は思います。
そういう点で、この作品はイマイチといわざるを得ません。
まあ、ゲイの友人がいて、精神を病んでいるタイプの女の子とつきあったことがある人なら、まあ、こういう作品もフィクションとして楽しんでみることは出来るかもしれませんね。
僕には、ちょっと経験が足りませんでした。
でもまあ、最後以外は面白いと思いますよ。
本当、終わりよければ全て良し。ですね。
まあ、過程に娯楽作品や感動作品と言えるような展開がなかったことが、要因でもありますが・・・
評価はべらぼうに高い作品なので、観てみるといいかもしれません。
僕は、途中までなら良作、最後まで観たら、普通・・・という評価にしますね。
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