○十三人の刺客
映像 |
9点
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ストーリー |
8点 |
キャラクター
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10点 |
音楽 |
9点 |
魅力 |
10点 |
総合得点 |
46点 |
感想
<あらすじ>
明石藩主、松平斉韶は、将軍の弟で悪政を布く暴君である。
このたび、この斉韶が江戸幕府の老中職に就くことが決まった。
しかし、それを良しと思わぬ男がいた。
江戸幕府老中土井大炊である。
というのも、先日、土井の屋敷にて、明石藩家老間宮が切腹し憤死したのである。
その死の意味するところ、斉韶のような者を老中に据えれば天下の御政道が乱れること必死というのは、土井自身も感じることであった。
しかし、相手は将軍の弟、公に裁くことは難しい。
そこで土井は、斉韶暗殺のために、島田新左衛門を呼び出したのである・・・
上質な娯楽時代劇です。
セットは、撮影に使用する宿場町を丸ごと作り、2億円以上の金をかけているだけあって、素晴らしい迫力。
絵良し、キャラ良し、ストーリー良し。
凄い映画を作ったものです。
リメイクということですが、元の映画を観ていないので、比較は出来ません。
しかし、大河ドラマのヒット、歴女のピックアップという時代の流れからか、時代劇にこれだけのお金をかけることが出来たことは、非常に幸運なことです。
ストーリーは単純、キャラの魅力と長尺の殺陣の圧倒的迫力でそれを面白く見せるという、ハリウッド的な娯楽映画の作り方。
それに時代劇特有の魅力が加わって、もう、たまりません。
近年の時代劇映画では間違いなく最高レベルの作品でしょう。
作品のコンセプトも刺客13人と明石藩300名の勝負。
真正面からいって刺客側には勝ち目がありません。
宿場町を丸ごと買い取り、屋根の上を繋ぐ梯子、火薬のトラップ、可動式の柵など宿場町全体を大きなトラップにして、知略を駆使しながら勝利を狙うという殺陣は圧巻。
しかも、知略や小細工だけでなく、しっかりと剣でバッタバッタと敵を切り倒していく爽快感もあって、殺陣についてはこの方向性のものとしては最高峰だと感じます。
まあ、その辺も含めて、「七人の侍」のオマージュ的な作品であることは否めません。
様々な要素を強調し、細かい設定には違いがあるものの、オリジナリティは、正直言って、ないに等しい。
でもこれだけキャラを魅力的に描いて、これだけ迫力の殺陣を金も時間もかけて作られたとあったら、面白いといわざるを得ません。
欠点は・・・見つからないなあ。
強いて言うなら、殺陣が長い分13人の活躍がしっかりと見れる反面、少々疲れてくる部分が無いわけではないところでしょうか。
あとは、音声が小さくて聞き取れないところがあること?
まあ、これは僕ん家の音響設備の駄目さから来るもんなので、問題ないでしょう。
本当に面白い映画です。
とくに邦画のエンターテイメント映画の中では屈指の傑作。
有名な若手俳優とベテラン俳優とを上手く配置し、とっつきやすさと骨太な感じをどちらも残したキャスティングも見事でした。
時代劇だからといって、若い人では入りにくいという印象はかなり薄れたはずです。
キャラ描写などはまるで漫画のようで、これもとっつきやすさを演出しています。
クローズなどで漫画原作映画を撮っている三池監督の経験が活きているのでしょう。
まったく受け付けない人もいる映画のような気もしますが
普通にアクションが好きなら、大いに楽しめる娯楽時代劇の傑作です。
ぜひ、一度観てください。
面白いですよ。
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