○闇の列車、光の旅
映像 |
8点
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ストーリー |
8点 |
キャラクター
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8点 |
音楽 |
8点 |
魅力 |
8点 |
総合得点 |
40点 |
感想
<あらすじ>
カスペルは、メキシコのギャングである。
新米で子供のスマイリーとコンビを組み仕事をしているが、最近は彼女とイチャついているため仕事に身が入らない。
それが組織にバレてフルボッコ、しかもリーダーのリルマゴに彼女を殺されてしまう。
その後、カスペルは、リルマゴ、スマイリーと組んで列車強盗の仕事をすることになるが、その際にホンジュラスからアメリカに亡命しようとしているサイラと遭遇。
リルマゴが彼女を暴行しようとしているところを、リルマゴを殺して助けるが、そのせいで、カスペルは組織から追われる身になってしまう・・・
闇の列車、光の旅という邦題は良い出来です。
まさに、そのような内容。
最近の邦題は、ちょっと気持ち悪いですからね。
必ずといっていいほど、「題名~副題~」みたいな作り方して、怖気がします。
その形式が悪いわけじゃなくて、そういうのばっかりになるのが悪いのです。
最近、日本はその気が強すぎる。
流行ったものに飛びついて、そればかりになる。
他にもテンプレート題名には
「~力」
「~で~するための~の方法」
がありますね。正直、最初の1つは秀逸だと思いますが、それ以降は駄作です。
こういうのも、専門家がいて考えてるのだから、困ったものです。
これじゃ素人ですよ。ダジャレの領域。
プロとして恥を知るべきです。
それとも、パロディ以上にパクっている映画の内容に対して、皮肉を言っているのでしょうか?だとしたら、いくらかは見所があります、センスはないですが。
話がそれました。
しかし、題名はとても大事。それ一つで観る気が増したり、失せたりしますからね。
で、肝心の映画の内容ですが、中々良いです。
恋人を殺され、ギャングに嫌気のさしたカスペルと、故郷を捨ててアメリカに亡命しようとするサイラの逃避行。
どちらも、もう帰る場所はありません。
ただ、前に進むだけ。
しかし、カスペルは組織に追われる身。明日をも知れぬ命です。
そんなカスペルに、助けてもらった恩人に対して以上の感情を持ち始めるサイラ。この二人の気持ちが少しづつ希望に輝いてくる過程が旅とともに描かれます。
今、メキシコはとても酷い状況で、麻薬組織が政府では抑えられない状況にまできてるとのこと。麻薬組織同士の抗争で、一般人含め2000人以上の死者が出たりと、内戦さながらです。
昔から経済的に豊かなアメリカへの亡命は良くあったようですが、ここ最近はもっと酷いでしょうね。
密入国者が腐るほど居ることでしょう。
サイラもホンジュラスからですがその一人。父と叔父とともにアメリカを目指します。
貨物列車の屋根に乗り、国境警備隊の監視を抜けながらの旅は、過酷で何百人もいた亡命者たちは、半分以上が捕まり、強制送還されることになります。
とても苦しい旅です。
でも、アメリカに待っている少しでもマシな暮らしを求めて、人々は希望を見つめてきけんな旅を続けるのです。
この部分は、日本に住んでいる僕には分からないけれど、なんか見ていてたまらない気持ちになります。
やってらんねえよ。
まあ、組織もしつこいしね。
不満としては、やはり結末かな。
あれは、確かにそうならざるを得ないところもあったけど、それでも、誰に媚売ってんだ?と思う結末でもありました。
メキシコの新聞社などでは、麻薬組織関連の記事は書かないそうです。
殺されちゃうから。
ある記者が、麻薬組織のスクープをとったとき、新聞が発行された翌日には、記者、カメラマン含めその家族まで皆殺しだったそうで・・・
恐すぎます。
世界有数の危険地域。
ソマリア、南アフリカ、メキシコ北部。
行ってはいけません。絶対に。
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