○必死剣 鳥刺し
映像 |
8点
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ストーリー |
9点 |
キャラクター
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8点 |
音楽 |
9点 |
魅力 |
8点 |
総合得点 |
42点 |
感想
<あらすじ>
海坂藩の政治は腐っていた。
藩主が、側室に骨抜きにされ、女の我侭のままに政治を行っていたからだ。
それに終止符が打たれたのは、春。
能の観覧が終わった際に、物頭・兼見三左エ門が側室を殺害したのである。
兼見からすれば、斬首、お家の取り潰しは覚悟の上での行動だった。
しかし、彼には異例とも言える寛大な処置が下された。
1年間の謹慎、閉門、減石と降格だけだったのである。
しかも、復帰の際には、今まで以上の厚遇がされた。
だが、当然ながらそこには、国の陰謀が絡んでいたのである・・・
ラスト15分、日本映画史が変わる。
というキャッチフレーズの今作。
流石の出来栄えでした。
時代劇は、ほとんど見ていないので、詳しい時代考証、慣例や作法などの知識も全くないので、その辺の判断はつきかねますが、一つ一つの動きが綺麗で迫力がありました。
ストーリーも、兼見に対する処置の真相というものに興味を持って観る事が出来ましたし、やるべきことを無理なく、しっかりとやりきっていました。
骨太な雰囲気と展開の綺麗さは気持ちがいい物です。
キャラは、実直で憂国の士というべき兼見の覚悟に満ちた立ち振る舞いに、惹き付けられます。
ただ、皆、真面目で、巨悪というべき相手もいないので、出来の良いキャラ作りながら、一味足らないかな、という印象を受けました。
この作品は、殺陣が売りだったみたいで、予告や特報には、そこを強調する文句が踊っていましたが・・・どうでしょう。
出来は良かったと思いますが、BGMもなく、声もうめき声と気合くらいしかないので、なんとも・・・。
ただ、殺陣のラストの演出は良かった。
ブワッとBGMが入って、しびれました。
なるほど、確かにあそこに至るまでの演出としての地味で静かな殺陣だったといえば、にくい演出ですが、さすがにアレは抑えすぎかもしれません。
骨太に作られた時代劇。
アイドルやら若手俳優ではなく、どっしりとオトナの魅力をだせる役者ばかりを起用し、本気の時代劇を見ることが出来ました。
必死剣が煌く瞬間を、是非ご覧下さい。
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