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【2024/05/18 16:56 】 |
太陽の傷
三池崇史監督、哀川翔主演。
少年法を題材にした映画。

感想は、続きから。



○太陽の傷



映像 8点
ストーリー 9点
キャラクター
9点
音楽 9点
魅力 9点
総合得点 44点


感想

<あらすじ>
建設会社に勤める片山は、ある日、ホームレスを暴行する中学生たちを目撃、制止したが、聞かないどころか殴りかかってきたため、やむを得ず暴力を振るった。
その二日後、その中学生の一人・神木が、報復のために片山の娘を殺害。

しかし、神木は少年法によって守られ、少年院に入院するだけという処置にとどまった。
かたや、偏った報道のため、被害者であるはずの片山は世間からの非難を浴び、妻は、娘を失ったショックと、周囲の責める様な態度にノイローゼとなり自殺してしまう。

娘と妻を奪われ、住む場所も変え、神木への無念も晴らせず、まるで犯罪者のように扱われた片山は、見えない傷に悩まされながらも、懸命に仕事に打ち込む。
しかし、事件から3年たったある日、つり革広告で神木が仮退院していたことが分かる・・・。


少年法を題材に、その理念と実際とのズレを描く、社会派ドラマです。
しかし、あくまでエンターテイメント的な部分も失くさない傑作となっています。

少年法は、基本的に20歳未満の男女に適用されるもので、その目的は少年の保護更生にあります。
要は、「若い人間を厳罰に処して、未来を奪うのは避けたい」という感じでしょうか。
近年では、凶悪犯罪の低年齢化に伴い、少年院への送致は「おおむね12歳以上」とされています。

しかし、この少年法には、問題点があります。
そのうちの大きなものが、満足な情報開示がされないことです。

報道などにも規制がされ、顔写真、本名など、少年の個人情報は堅く守られます。
これについては、将来の社会復帰を目指すためには必要な処置であると考えますが、これが被害者遺族などにも融通が利かない所が大きな問題になっています。

被害者の立場としては、加害者の少年がどのようなことを話し、どのような経緯で犯罪を犯したか、何でもいいから情報が欲しいというのが本音でしょうが、現行の少年法では、それはかないません。
実際、あの有名な神戸連続児童殺傷事件などでは、犯人の少年の情報は被害者には伝わらず、裁判にも被害者が証言することは出来なかったといいます。

この作品では、この部分の被害者の苦悩が、とても良く描かれています。
自分の娘を殺した犯人が、どういう罰を受け、その後どう暮らしていくか、それさえも満足には知ることは出来ない。
しかも、片山は、事前に起きた神木とのトラブルを、非常に神木側に偏った意見が報道され、まるで片山の方が加害者のような扱いを受けています。

とにかく苦しい、キツイ作品です。

出てくる奴出てくる奴、ぶん殴ってやりたくなります。
しかし、片山は非常に礼儀正しく、しかし確かな執念と憎悪を持って、神木の行方を捜します。

この作品は、神木と片山という二人の強烈に魅力的なキャラクターによって、単なる社会派ドラマではなく、一種の復讐活劇として成立しています。

ここが、非常に良かった。
そして、別の意味では最悪に近い。
素晴らしい作品ですが、観ていると心にきます。

傑作です。

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【2011/08/04 21:55 】 | 映画 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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