○ラブ・アクチュアリー
映像 |
9点
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ストーリー |
9点 |
キャラクター
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9点 |
音楽 |
10点 |
魅力 |
9点 |
総合得点 |
46点 |
感想
<あらすじ>
世界は、愛に満ち溢れている。
クリスマス間近のイギリスを舞台に、19人の老若男女が恋をし、失恋し、喜び、泣く。
ロマンティック・コメディ映画。
良く出来た作品です。
19人の恋の物語ですが、それぞれの物語の登場人物の間には、関係があり、オムニバス形式ではありません。
かといって、これらの物語が、次第にまとまりを持ち、最後には一つに繋がってくる、という作品でもありません。
あくまで、比較的近い範囲内、人間関係の広がりの一部を切り取って、そこにある様々な愛の形を表現したという感じです。
そこに別の物語の登場人物が関わってきたとしても、それが大きな物語の流れと、その物語を繋ぐ道具としてではなく、あくまで脇役として登場します。
ある意味では、ドキュメンタリー的作品といえるかもしれません。
この映画で特筆すべきは、その構成力。
一つの物語が終わって次・・・という構成ではなく、ところどころで場面が切り替わり、物語が入れ替わるのです。
この、物語と物語の切り替えが、凄く自然でスムーズ。
作り手が、観客がどのような気持ちになるかを計算しながら、その上で不自然ではないように物語を切り替えているように思います。
素晴らしい手腕です。
ストーリーも素晴らしく、2時間強で19人の恋の物語を、多少の説明不足はあったものの、どれも魅力的に仕上げたのは凄い。
コメディ映画ということで、暗い部分が少なかったのも好感が持てました。
最初は、3時間半近い作品だったといいますから、その編集の力は確かです。
音楽も良く、盛り上げるところをしっかり盛り上げてくれる、ほぼ完璧な出来栄え。
どの点から見ても高品質で、傑作です。
一つ一つの物語を見れば、中途半端だったり、説明不足の物語もありますが、最後の盛り上がりには、それを打ち消してしまうだけのパワーがあります。
この作品のテーマは、世界中に満ち溢れる愛であり、その愛の力強さ、いかなる状況でも失われない愛の偉大さを描いています。
それを十分に表現した、非常にパワフルな作品でした。
是非、一度鑑賞してみてください。
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