○レミーとおいしいレストラン
映像 |
9点
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ストーリー |
8点 |
キャラクター
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7点 |
音楽 |
9点 |
魅力 |
7点 |
総合得点 |
40点 |
感想
<あらすじ>
主人公レミーは、ねずみであるが、非常に鋭敏な嗅覚と味覚を持っている。
しかも、ネズミらしくない性格で特に食べ物に強くこだわっていた。
当然、料理にも興味があり、パリ最高の料理人グストーは、彼の憧れであった。
レミーの料理の腕前は、その才能と自分が潜む家のテレビとグストーの料理本で勉強したことで、卓越したものを持つまでになっていた。
そんなある日、彼は忍び込んだところを家人に見つかってしまう。
そのゴタゴタで、彼は家族と離れ離れとなり、パリへと流れ着く。
そこで、どうしようもないレストランの雑用係と出会い・・・
ピクサー作品の中では、幾分尺が長いほうで
非常に盛りだくさんの内容です。
やはり、映像は抜群の緻密さ、表現力を誇ります。
主人公レミーは、ネズミということでネズミ視点の映像が多いですが、素晴らしい出来栄え。
ネズミをずーっと眺めていたのかと思うほど、ネズミの動きがリアルで、フィクション的な躍動感も併せ持っています。
ただ、一つ微妙だなあ・・・と感じたのが、料理の映像。
非常にリアルで、完璧な映像ですが、美味そう・・・とは特に感じられませんでした。
料理が題材なので、これは少し残念。
ストーリーは・・・良質ではありますが
ピクサーにしては、粗が目立つように思いました。
色々と不明瞭な部分が多く、唐突な展開も見受けられます。
しかし、ラストでは流石の巧みさ。
上手く締めてくれます。
終わりよければ・・・というわけでもありませんが、終わりが面白いと観ていてスーッとします。
一番きつかったのは、キャラクターでしょうか・・・
多分、料理人というアーティスティックで独特な職業人を描いているので、決して間違ってはいないのですが、どうにも好きになりきれませんでした。
脚本があっちこっちいくせいで、キャラ描写が足りなかった印象があります。
特に気になったのは、レミーの相棒となるリングイニの成長。
彼は・・・気は優しい青年ですが、能力がからっきしです。
そこをレミーに助けてもらい、徐々に認められていくのですが、どうしたってそこには自分の力ではないことに対するジレンマやレミーへの引け目が生まれます。
そこを、解決するのは、彼の成長以外ないのですが・・・個人的にはそこの解決がスッキリしませんでした。
また、彼の生い立ちには、非常に重要な事実が隠されていますが
そこを乗り越えた、という強さを感じられませんでした。
レミーと並ぶもう一人の主人公だけに、彼の成長が分かりにくいのは、少し残念です。
まとめると
最初から最後までレミーの話だったなあ、という印象です。
そこを観ていけば、作品のテーマがしっかりと描かれていて、良い作品です。
いや、でなくとも良い作品なのですが、やはりリングイニにもう少し見せ場をやって欲しかった、という願望はあります。
・・・こういうと、どうにもイマイチな作品の印象になってしまいますが
全然、そんなことはありません。
非常に面白い作品です。
是非、観ていなければ、観てください。
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