○ヒックとドラゴン
映像 |
9.5点
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ストーリー |
9.5点 |
キャラクター
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10点 |
音楽 |
10点 |
魅力 |
10点 |
総合得点 |
49点 |
感想
まあ、一言完璧な作品というしかありません。
超面白い。
<あらすじ>
バイキングの住む島は、昔からドラゴンに襲われていた。
敵といえばドラゴンだったし、勇気や名誉を得るためには、ドラゴンを倒さねばならなかった。
しかし、最強のバイキングであり長でもあるストイックの息子ヒックは
バイキングになるには、余りに小さく、ひ弱だった。
そのくせ、ヒックには強い野望と無鉄砲さがあり、常に島のトラブルメーカーだった。
その日もいつものように、ドラゴンが島を襲い、バイキングたちは島を守るために戦っていた。
ヒックは、父たちからの忠告も聞かず、戦いに参加する。
そんな中で、誰も倒したことのない最強のドラゴン「ナイトヒューリー」を撃墜するが・・・誰にも信じてもらえない。
そこでヒックは、ナイトヒューリーの首を持ってくることで証明しようと
ドラゴンが落ちたと思われる場所に向かう・・・。
もうねえ、不満なんてないですね。
満点つけないのは、まあ今後を見据えて、というところです。
ストーリー構成、キャラクターの魅力、戦闘シーンの迫力
全てが最高レベル。
100分もない映画なのに、ものすごく沢山のことが無理なく同居しています。
やはり、省略の上手さは、大きな武器ですね。
例えば、ヒックがドラゴンと出会い、友情を深めていく過程や
ドラゴンの背に乗る訓練の様子などは、ただのダイジェストではなく
キャラクターへの理解を深められ魅力的に見えるように、分かりやすく、そしてそれ自体が面白いようにという作り手の工夫に満ちていました。
外国のアニメ作品は、この省略という武器が良く磨かれています。
単純で派手。でも、しっかりと抑えるところは抑えなくては・・・という意識が強い。
アメリカの合理主義というものですね。
アメリカでは、キリスト教の観点から、映画や物語で何も悪いことをしていない人間が不幸な目にあうことは、嫌われる傾向にあると聞きましたが、そのことからも、アメリカの合理主義が娯楽作品にまで浸透していることがうかがえます。
不幸になるには、何かしらの不徳が必要というわけです。
だから、そこを凄く大事にしているのが良く分かります。
ヒーロー物でも、「強いから強い」「格好いい!」「クール!」というのを前面に押し出しながらも、しっかりと訓練の描写は欠かしません。
バットマンの訓練しかり、スパイダーマンの糸しかりです。
娯楽性の追及と合理的思考の融合。
やっぱり、短い尺のアニメでアメリカに勝つのは、難しそうです。
多分、6話以上のOVAくらいからでは、負けないと思うんですけどねえ・・・
なんか悔しいなあ。
日本の劇場アニメ作品は、とっても多様で個性的ですが、つねに大事なところを取りこぼしているような気がします。
そこには常に、スポンサーの金を盾にした素人の口出しや、制作会社の待遇の悪さがあるような気がしてなりません。
実写であれば、これらは、ごまかしようがあるかもしれません。
だって、キャラクターも絵も、5割はそこにあらかじめ用意されているのですから。
ですが、アニメやCGというのは10割、自分たちで作らねばなりません。
自由度は高い代わりに、実写に匹敵する魅力を備えるに必要な努力は、倍じゃきかないはずです。
実写に対しても言えますが、アニメは非常に顕著ですねえ・・・金の問題が。
日本は、なんかおかしい。
口ではアニメは一大産業とか言っておいて、金は渋る、作ってるやつには回さない。
なんなんだ?
なんでスキマ狙いのベンチャー青二才社長共が億万長者で
一大産業の企業社員がワーキングプアなんだよ。
おかしいだろうが。
まあ、それは自動車工とか日本産業を支える下請け全般に言えることなんでしょうが・・・
どの国でもそうなんだとしても、せめて売り出そうというものを渋って潰すなよ。
お願いだから、ヒックとドラゴンのような素晴らしい作品を
日本から世界に発信して欲しい。
ジブリは?という疑問があるとするなら。
あれは、まあ、もはやジブリというジャンルなので除外としたいです。
ディズニー(独自の作品、ピクサー等除く)が、ディズニーというジャンルであるようにね。
なんか、愚痴になってしまいました。
まあ、感想そっちのけにしても、ヒックとドラゴンの完璧さは損なわれません。
とにかく観てください。
以上。
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