○バニシング・ポイント
映像 |
8点
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ストーリー |
5点 |
キャラクター
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7点 |
音楽 |
9点 |
魅力 |
6点 |
総合得点 |
35点 |
感想
<あらすじ>
コワルスキーは、車の運び屋である。
彼の経歴をたどれば、海兵、警察官、プロのレーサー、様々な顔を持つ。
そんな彼の仕事ぶりは、熱心と表現するには、狂気を含んでいた。
親しい友人でさえ、彼が車に乗っていないときは無いとさえ思う程に。
金曜日の深夜、彼は、休むことなく仕事に取り掛かった。
白のチャレンジャーをサンフランシスコまで届ける仕事である。
途中ドラッグを買いに寄った先で、彼は友人と賭けをする。
その内容は、デンバーからサンフランシスコまでの1530キロを15時間で走破できるかというものであった。
カルト的人気のある名作ということでしたが
正直、僕にはイマイチ分かりませんでした。
確かに、カーチェイスは、迫力があったし
それと共に流れる音楽のノリのよさもあいまってワクワクしました。
カーアクション映画をあまり観たことがなく、車にさほど興味を持たない僕から観ても
中々に面白いものであった気がします。
特に画面の使い方は、抜群と感じられました。
しかし、この作品は、単なるカーアクションではなく
コワルスキーという男の生涯を描くという性格の方が強いと思えたのです
そこを考えてしまうと、どうしても消化不良というか・・・
乗り切れない部分がありました。
劇中で彼はスピード違反を犯し、警察からの追撃を受けます。
普通の作品であれば、賭けに勝つために全てを無視し、それを阻もうとする、警察との追走劇を描くことに終始するでしょう。
しかし、この作品は、フラッシュバック的にコワルスキーの過去が回想され
賭けをしているにも関わらず、意外と脇道にそれます。
・・・まあ、仕方なしにという感じではあるんですが。
ですから、彼にとって警察の追撃も賭けも大した事ではなく
何ゆえに彼は、そうまでして走るのか、走り続けるのか。という彼の内面を深くえぐることが作品の趣旨であり描いていることなワケです。
あと、劇中で警察からの追撃をかわし続けるコワルスキーを、応援するラジオDJが登場するのですが、これがまた曲者というか・・・どう解釈したものか・・・。
DJが単に警察に立ち向かうヒーローとしての彼を応援し、それを伝達していくタイプのエンターテイメント的な存在であれば、もっと簡単だったのですが、そうじゃないんですよね。
まるで、コワルスキーの本質の理解者のような振る舞いをするわけです。
でも、それにも次第にブレが生じてきますし・・・
なんにせよ、コワルスキーという男が車で暴走するのです。
そこには、体制も宗教も友人も必要ないわけです。
それどころか、こういう状況になった理由さえ非常に希薄なのです。
まさに全てを否定するように走る彼には、時折よみがえる閃光のような思い出があるのみです。
しかし、それが彼の人生や内面を描くというか・・・決着をみる形に構成されていません。
だから、正解が見えない。
道筋だけはたくさんある。
単純な娯楽映画のような気がして、そうでない。
非常に難しい映画ですが、そこが人気の秘密かもしれません。
ただ、僕には視聴中になにかまとまった物をえられなかった、そういうことです。
2回目観てみればまた違った印象を受けることでしょう。
そういう映画なのかな・・・どうだろう。
時間をあけて、2回目の視聴に挑戦したいと思います。
以上、では。
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