○スカイライン-征服-
映像 |
8.5点
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ストーリー |
2点 |
キャラクター
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2点 |
音楽 |
6点 |
魅力 |
6点 |
総合得点 |
24.5点 |
感想
<あらすじ>
親友テリーの誕生日を祝うためジャロッドは、恋人のエレインをつれてロサンゼルスに来ていた。
テリーは、商売で成功を収めており、盛大なパーティが催された。
その夜、騒ぎ疲れ、皆、眠りにつこうとし始めた頃
空から青い光が舞い降りる。
それは、宇宙人による地球征服の3日間の始まりであった・・・
突然、侵略を開始した宇宙人たちは、青い光で人々を誘い、さらっていきます。
そんな状況をほとんど理解できないまま、主人公たちの戦いが始まります。
特筆すべきは、その映像のクオリティ。
美しさ、緻密さ、デザイン、迫力。
全てが、低予算とは思えない出来栄え。
低予算なりに・・・という、枕詞を使わなくとも、良いものを作ったなという感じです。
しかし、残念ながらこの作品の良いところは、ここのみ。
この映像以外は、はっきり言って、作品とは言えないほどお粗末です。
まず、ストーリーが何をしたいのか分からない。
とりあえず、逃げて助かりたいという目的はありますが、それが何を起こすわけでなく
計画もただ車で逃げて、ボートで海に出ようという安易なもの。
まあ、しかし名作アクションやSFの中には、非常に単純ながら、見事な演出とキャラの魅力で、凄まじい面白さをみせる作品も沢山あります。
しかし、こんな意味なしストーリーでも、キャラが魅力的なら・・・
という期待も見事に裏切ってくれます。
意味なく死ぬ準主役、才能ある若者らしからぬ凡人っぷりを発揮する主人公。
ヒステリー起こしてるシーンしか記憶にないヒロイン。
いや・・・この作品に主人公やヒロインなんていません。
宇宙人の侵略という、圧倒的な脅威の前になす術なく敗れる人類。
その、ある一場面。少ししぶといモブキャラにスポットを当てたに過ぎないのです。
予算の関係か、部屋の中でもめてるシーンが非常に多く
その会話もキャラに全く魅力がないので、ただただ退屈です。
映像は、何十億の作品と遜色ないのに、内容はしっかりB級以下。
バランスのとり方が絶妙すぎますね。
総評すると
「多分、いきなり宇宙人が攻めて来たら、こうなるだろうな・・・」という再現VTR以上のものではありません。
映像は素晴らしいけれど・・・。
まあ、トンデモ終末滅亡論の再現VTRに、また随分お金をかけたものだねえ・・・。
そう言わざるをえない作品です。
残念。
CMや予告編の映像をフルで観たい。どうしても観たい!!
という人以外には、オススメしません。
さて、ココからは雑記になりますが
このスカイライン-征服-の予算8億円についてです。
これ、安いって言われてます。
いや・・・映像のクオリティを考えれば、僕も安いとは思いますけど
日本なら、ホント大作レベルですよ、この制作費。
最近の日本の大作というと
SPACE BATTLESHIP ヤマトが20億円
GANTZが前後編で40億円
という感じです。
これ日本じゃ凄い予算なんです。
まあ・・・残念ながらGANTZの方は、間違いなくスカイラインより金をかけているのに
映像面ではボロ負けです。
残念・・・という話は置いといて。
平均5億以下。
1本20億もかけたら、超大作。それが邦画の相場なのです。
スカイラインは決して低予算ではないわけです。
まあ・・・ハリウッド映画は、平均して50億近い制作費を投入しています。
桁が一個違いますから、安く見えて当然と言えば、そうですが・・・。
当然ながら、こんな状況には理由があります。
最大の理由は、市場の規模が違いすぎること。
英語圏なら吹き替えもなしに上映できるハリウッド作品に対して
日本は日本でしかまともに上映できません。
英語人口は5億、日本人口は1億。
単純に5倍、しかし英語を理解できる人々の数は、コレより圧倒的に多く、その差は5倍ではきかないのです。
これが大きい。
また、人種、文化、そういった点でも日本は独自の物を多く持っているため、邦画は、そのテーマや雰囲気自体が海外には通用しにくいという問題もあります。
ですから、邦画は、日本国内でしか利益換算が出来ないため
予算も何もかもが、ハリウッドに比べて少ないというわけです。
とは言っても、制作費=面白さでないことも事実。
日本の映画が海外で人気はなくとも、高く評価されていることがそれを証明していますし
ハリウッドの超大作が微妙・・・なんて事は珍しくもありません。
スカイラインだって、邦画と比べれば高予算の映画になりますが、面白くありませんしね。
ただ、低予算映画と高予算映画。
どちらに名作が多いかといえば、勿論後者でしょう。
製作側の懐の暖かさが違います。
製作現場の葛藤や苦悩、修羅場の苦しさは変わらなくとも
それをやわらげてくれるお金ちゃん。
満足いく作品の構想が練れるまで、自分の生活が保障されているのとないのとでは
当然、製作側のやる気も違いますよ。
それだけじゃない、金持ちになるならそれに見合った責任と能力が求められます。
それを向こうは自覚している気がするのだなあ・・・
まあ、邦画にも名作は沢山ありますから
今の状況を変えろと言いたいわけじゃない。
だって市場が小さいんだからどうにもならない。
ただ、同じ予算の作品になら、ハリウッドにも負けて欲しくないのです。
単なる願望ですね・・・
まあ、とりあえずスカイラインは面白くないです。
予算は、安いと言われてますが、総合的に見れば無駄遣いの部類でしょう。
ただ、映像には低予算映画の新たな可能性を感じます。
それでは、最後にザックリな予算の早見表を書こうかと思います。
コレは、ネットソースなので、少し検索すれば見つかると思いますが
まあ、かなりザックリな金額なので、信憑性は高くはないです。あしからず
海外の予算いろいろ
ハリウッド映画 平均50億円
ピクサーアニメ映画 150億円以上
アニメ1話(30分) 約1億円
ドラマ1話(1時間) 数億円
日本の予算いろいろ
邦画 平均5億以下
ジブリ 20億円前後
アニメ1話(30分) 平均1000万~3000万くらい
ドラマ1話(1時間) 平均3000万
だそうです。
しかも広告代理店が私腹を肥やしているため、製作側には余りいかないのだとか。
電○とか博○堂とかですね。
奴らが年収1000万とか余裕で超えてるからいかんのだ。
公務員叩きなんてせずに、マスコミと広告会社を叩けよ。
奴らの仕事なんて、まあまあがいいとこなんだぜ。
ふう、今日は、結構毒はいたな。
楽しかったです。
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