スターウォーズ エピソードⅤ 帝国の逆襲
映像 |
9点
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ストーリー |
8点 |
キャラクター
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8点 |
音楽 |
9点 |
魅力 |
8点 |
総合得点 |
42点 |
感想
前作で敵の兵器を破壊する作戦の模様を描き、成功したにもかかわらず
帝国に敗走する同盟軍・・・って
いいのかそれで!?
いや、確かにデススターは、詰みの一手なのであって、元々、同盟軍と帝国軍の力の差は歴然なわけです。
だけどなあ・・・
コレを文章で説明するあたりは、思い切りすぎではないか?
まあ、いいや。
実際、さして問題は無かったですしね。
さて、今作は、ルークが才能ある若者から、ジェダイの騎士になるための物語です。
オビワンの言葉に従い、ルークはジェダイマスター・ヨーダを訪ねますが
離れ離れになってしまった、仲間たちには帝国の魔の手が・・・という
相変わらず、でかい設定で小さい物語をやってくれます。
いや、おかげで2時間という尺の中で、急ぎ足にならずに済むのですが
スターウォーズの壮大な世界観からすると、幾分物語に大きさが足りていないような気もします。
映像は、格段に進化していますね。
というのも、旧3部作は、1作1作の間がかなり空いているとのことで
なぜか、映像技術の進化の過程も追えると言う、一石二鳥の仕上がり。
今回は、戦闘シーンも迫力があり、中々の出来栄え。
しかし、ライトセイバーの戦闘は、何をモチーフにしているのだろう。
明らかに、西洋的な戦闘ではなく、日本刀での殺陣に近い気がします。
監督のジョージ・ルーカスは、黒澤明のファンだそうで、黒沢映画といえば、やはり時代劇。
勿論、殺陣の研究はしているのでしょうが
どうにも・・・違和感が。
ライトセイバーは、何故か常に大きく回すようにして振ります。
そして、当たる前に弾かれるようで、異常に取り回しが軽い。
日本の殺陣に比べて、迫力に欠けます。
ライトセーバーの戦闘は、常に相手の意表をつく太刀筋に見えますが
やはり、全ての格闘技、戦闘技術において優先されるのは
力とスピード、そして最短距離をとらえる技術であるように思います。
ボクシングなどでも、エコノミーラインと呼ばれるパンチの軌道があります。
それは、相手までの最短距離を結ぶ線で、これをとらえることは、大変な高等技術や才能をを要するようです。
刀でも居合いは、この理論にあてはまるものであると思います。
戦いにおいて、より強く、より早く、より短い距離で攻撃を加えることは大原則です。
そこの所でいくと、ライトセイバーの戦闘は見栄えはするし、格好いいのですが
不満はありますし、違和感を感じます。
まあ、僕は何もかにも素人ですので、大いに間違っているのかもしれませんけどね・・・。
今回は、スピーディな展開に、大きな秘密が暴かれるなど
盛り沢山の内容。
前作より、面白かった。
スターウォーズ エピソードⅥ ジェダイの帰還
映像 |
10点 |
ストーリー |
8点 |
キャラクター
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9点 |
音楽 |
9点 |
魅力 |
9点 |
総合得点 |
45点
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感想
旧3部作の最終話。
ルーク・スカイウォーカーの旅の一つの終結。
正直、面白かった。
序盤に驚きの事実。
スターウォーズは相対性理論を採用していた!?
今まで、まったく感じなかったこの事実。
確かに、1作目は、基本的にはみんなで行動していたし、
2作目についても、まあ、ソロたちの船は壊れてましたから、かなり時間をかけて目的地に着いたということにすれば、ルークの修行時間は確保できないことはないし
フォースによる未来予知で、助けに向かうだけの期間をあらかじめ確保していたとすれば、まあ辻褄は合わないことはありません。
しかし、エピソードⅥでは、明らかに時間の流れがおかしいのです。
相対性理論は、まあ、光の速度で人間が移動すると、時間の流れに違いが出るという理論ですが。
ソロを救出に向かい、救い出したルークは、約束どおり、修行の完成のためにヨーダの元に戻ってきました。
しかし、ヨーダは病魔に侵され、命も長くないという事実が発覚。
それもそのはず、ルークが修行途中に出て行ってから、なんと100年の月日が・・・
まじか!?
しかし、これはヨーダの発言からの推測。
エピソードⅤでは「ジェダイの騎士を鍛えて800年」と言っていたのにエピソードⅥでは「900年」になっていたことからも明らかです。
また、ルークは、エピソードⅤに比べ、圧倒的に高いレベルでフォースを身につけ、既にジェダイとなっていました。くわえて、彼は、ヨーダをして「古い友人」と表現していましたので、この時間の流れはほぼ間違いありません。
なんの説明も無く、人間が100年も200年も生きることは考えにくいので
ルークたちは、恐らく、相対性理論によって、外界との時間差が生じてしまったのでしょう。
・・・どうして、今頃になって使うんだ、この設定。
まあ、どうでもいい事実が発覚しつつ
物語は、クライマックスへ。
帝国が、初代デススターをはるかに超えるデススター2を開発していたのです。
それを、またまた破壊しに行く同盟軍。
しかも、今回は視察のために皇帝まで来ているということで
この作戦の成功は、勝利と同義という大一番。
しかし、デススター2は強力なバリアで守られているので、まずはバリアを消さねばならない。
ルークたちは、その役目を担います。
という感じ。
多くのしがらみと関係に悩みながら、ルークは真のジェダイになれるのかというお話。
正直、前2作は、コレの前座に過ぎない。
ようやく、スターウォーズがスターウォーズたる、テーマに入ったという作品。
見所も多く、映像も戦闘も圧倒的に進化しています。
これは、傑作ですね。
スターウォーズ旧3部作は、一つ一つを観れば、まあ若干弱い部分があります。
特にストーリーは、小さくまとまってしまった感は否めません。
しかし、全体的にみれば、非常に完成度の高い作品であることが分かります。
特に秀逸なのが世界観とキャラクター。
人間タイプでない宇宙人たちの表情の豊かさは、脅威です。
だって、言語も違うのに、言ってることがなんとなく分かるんですよね。
それは、会話劇の上手さであり、表現力のなせる業でしょう。
ダースベーダーも、最初は、機械じみた最強の戦士。冷酷な男として写りますが。
次第に、一人の人間、悩める父親という表情が、マスクの上からでも理解できます。
これは、何気に凄いことだと思います。
日本でもシャアを初めとして、仮面キャラは多く居ますが
ココまで表情豊かな、仮面キャラは居ません。
まあ。仮面の役割が違うといえば違うのですが、でもこれは、スターウォーズという作品の魅力であり凄いところです。
映像もエピソードⅥに至っては、CGでは出来ないアナログの境地の一つであり
これは、現在のVFX全盛の時代の映像とは比較不可能ですが
間違いなく、映画史最高峰の画面です。
隙のない作品ではありません。
しかし、それを補って余りある、魅力的な世界観とキャラクター。
素晴らしい表現力と画面。
本当に世界中で愛されている作品に相応しい出来栄えです。
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