○金未来杯 第2週「瞬間×ヒロイズム」 三浦悟
今週は、第2回目。
三浦悟先生の「瞬間×ヒロイズム」です。
いや、これも面白かった!
ストーリーが少々強引なところもありましたが、それを補うパワーと魅力をキャラに感じました。
先週の「花咲一休」は、作家さんの技量が素晴らしいことが逆に、作品のネックになってしまったのに対して、今週の「瞬間×ヒロイズム」は、とことん自分の領分を突き詰めた作品のように思いました。
いや・・・三浦先生の技量が低いといっているわけではありません。寧ろ、高いですよ。
ただ、背伸びをしないで自分が好きなものをガッツリ描く。
そんなものが作品から伝わってきたように思います。
多分、楽しく描いたんじゃないでしょうか。
だから、面白い。
正直、ストーリー展開は、びっくり重視というか、結構「突然だなあ」と思うシーンが多かったです。
多分、これがキャラを動かすストーリーという物なのでしょう。
ストーリーに沿って、キャラを動かすのではなく、キャラが動くからストーリーができる。
どこかの編集者が言った言葉があります。
「人生にストーリーはなく、ただキャラがあるのみ」
人生はストーリーにそったものじゃなく、個人の個性が、ストーリーを導いていくというわけです。
いやー、深いですね。
しかし、確かにある意味正しいと言えます。
そして、漫画は、その登場人物の人生に他ならないのですから
キャラを作りこんで、個性を持たせ、彼らが動くであろう道筋をストーリーとして結んでいく。
その方法は、確かに正しいでしょう。
今の、漫画業界は、この方法で漫画を作ることを奨励しています。
漫画は、第1にキャラ。次に世界観。
そういう編集者は、多く居るようです。
そういう点で、三浦先生は、キャラを動かす漫画作りに成功していると思います。
とにかくキャラが生き生きとしている。
それだけで、単純なストーリーが、素晴らしく面白いものになっています。
漫画表現を多用した、キャラの表情の豊かさも素晴らしかった。
全体的に、高レベルな作品でした。
ただ、強いて言うなら、やはり、もう少し伏線を上手く張れていると良かったように思います。
キャラの個性を突き詰め、動かした上で、ストーリーにも深みがあるのが理想ですから。
そういう点では、まだ出来ることはあったように思います。
ところで、まあ、これは批判というわけでないんですが。
1週目、2週目と金未来杯を見ていて、絵について思ったことが一つ。
ONEPIECE+NARUTOですねえ。
表情の付け方や奇抜な動きは、尾田先生。
やわらかい輪郭と写実より(人間を人間らしくという意味で)の絵柄は、岸本先生。
ジャンプの2大巨頭をミックスした絵柄にみえました。
あとは、弟が言うには、「花咲一休」は「ダブルアーツ」の古味先生に似ているとのこと。
確かに似てますねえ。
あ、画像はめんどいんで貼りません。調べてみてね。
まあ、2週目も面白かったです。
個人的には、1週目とは甲乙付けがたいですね。
どちらも、将来性あると思いますし。
どっちも連載になるんじゃないかなあ。
しかし、まだ3作品残っています。ダークホースがいるかもしれません。
楽しみです。
○キガタガキタ
チャンピオンで先週から始まりました。
作者は、「鉄鍋のジャン」で有名な、西条真二先生。
西条先生の作品は、凶悪な面相のキャラデザで疾走感溢れるストーリーが展開されて面白いです。
でも、案外短く終わっちゃうんだよなあ。
個人的には、実力派の凄い作家さんだと思うんですが。
で、今作はつのだじろう先生の名作恐怖漫画「恐怖新聞」のリメイク・・・ではなくスピンオフ。
主人公は、関係は忘れましたが、「恐怖新聞」の主人公・鬼形礼の親戚と思しき少年、鬼形冥。
この作品、実は、以前読みきりとして載ったものが連載に繋がった作品です。
前回の読みきりも面白かったです。単行本に載るといいなあ。
あらすじとしては、
鬼形冥は恐怖新聞にとりつかれている。
恐怖新聞とは、深夜に配達される不可思議な新聞で、内容は未来の出来事。
購読料は、寿命100日分。
この呪いに抵抗するには、恐怖新聞の予言めいた内容を覆すこと。
鬼形冥は、恐怖新聞の予言を覆すため、行動をおこす・・・
という感じです。
まあ、やっぱり西条先生の暴力的な線は、迫力たっぷりですし、原作の目線が宙をさまよっている絵に比べたら、個人的には良いと思います。
まあ、どうみても「恐怖新聞」ではないんですが、これはこれで、面白い作品になってます。
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