「久しぶりに、会ってご飯でも食べない?」
このようなメールが中学校時代の友人(以後A)から届いたのは、事件の1週間ほど前のことでした。
このとき、実はピンときていたのです。
多分、宗教か売込みだろうな・・・という風にね。
だったら行かなきゃいいのに・・・馬鹿な奴ですよ。僕は。
でも一方で、本当に、単なる食事の誘いかもと思っていたのです。
Aとは、中学校を卒業してからは、成人式くらいでしか会っていませんでしたが
共通の友人とは、最近親しくしていたこともあり。
その友人との会話に、Aの話題が上る事もしばしばあったのです。
その関係で、Aへの警戒心が弱まっていたことが、全ての原因です。
恐らくは、バイトの紹介でもして欲しいのだろう、と、そんな風に良い方に解釈してしまったのです。
Aとの待ち合わせは、僕の家の近くのファミレスの駐車場でした。
僕が、待ち合わせ場所に着くと、Aは車の中から出てきて声をかけてきました。
「実は、仕事先の先輩と一緒で・・・先輩(以後B)の用事に付いてかなきゃいけないのだけど。
すぐ終わるから、一緒に付いてきてくれないか?」
という内容のことを話され、多少疑いはあったものの、僕は了承してしまいました。
時間は午後5時半。
日も沈み、薄暗い中
Aの仕事場の先輩だというBの運転で、幹線道路を上り方面に車は走っていきました。
時間にして40分ほどでしょうか
この間、車中は他愛の無い世間話や近況を報告しあう、非常に穏やかな雰囲気でした。
Aは派遣会社に勤めており、現在は、流通関係の仕事をしているとの事。
しかし、仕事は時期的に忙しいからあるようなもので、春になれば解雇される可能性が高いということで
僕は、少し楽しい雰囲気になったせいか、警戒も弱まり、やはりアルバイトの紹介のお願いだろうか・・・
そう、思うようになってきました。
そうして、車はどこかの駐車場に止まり
僕は、Bに連れられるように、ある建物に入っていきました。
このときは、そこがどこで何なのか、全く分からない状況でした。
外は暗く、話も弾んでいたので、まあ、マヌケですね・・・。
このとき、とりあえず場所のあたりでもつけておけば、隙を見て帰れたでしょうに・・・。
ただ、先ほど言っていたBの用事なのだろうなと思い、ついていきました。
後でというか、この数分後に分かることだったのですが
そこは、AとBが所属する新興宗教の本部会館だったのです。
最初に行ったのは、食堂のような場所でした。
まあ、高速道路のSAみたいな場所でしたね。
そこで、ご飯を食べながら話でもしようということになりました。
は?
おい。用事はどこに行ったんだB!?
A!目ェそらしてんじゃねえよ。
一応、ココまで来ると、さすがの僕も「ああ・・・こりゃ宗教だ」と疑いを確信に変えていました。
そう思ってみると、と自分が中々にヤバイ状況にあることに気づきました。
自分が、どこに居るかも分からず
僕らが座っている席は、出口から最も遠い席で
食堂内は、沢山の信者で埋め尽くされていたのです。
しかも、信者たちの目は明らかに、普通とは違いました。
先ほど、SAのような食堂だったといいましたが、内装は同じでも、そこに居る人間は、全くの異質。
とにかく、「自分とは違う人間しか居ない」という印象です。
あれは、非常に面白く、恐い体験でした。
多分、スポーツの大会で観客席でなく選手スペースに行くと味わえる感覚かもしれません。
選手たちは、真剣なだけですが
奴らは異常です。
とにもかくにも、逃げ場なし。
やってくれたのう・・・A!!
ココからはもう・・・ね。
まあ、僕も相手を逆撫でしないようにするのが精一杯でした。
とにかく、ココから無事返してもらうには、逆らわないことが一番だ・・・
そう思ったのです。
普段は、宗教にひっかかるやつなんて馬鹿だよなあ、と思っていたのですが。
いやあ・・・すいません。
実際、あの状況になると恐いモンです。
これは、あとで知ったことなのですが、彼らは非常に過激なカルト宗教で
勧誘を断った人に暴行をはたらいたり、軟禁したりする犯罪集団の一面も持っていたのです。
・・・まあ、全員が全員そうではないでしょうから
そうなった可能性は低いかもしれませんが、否定は出来ません。
だから、必ずしもこういった状況で、相手に強く反発することは正しいことではないようです。
(かといって、僕のようにビビッて言いなりにするのはもっとダメでしょうが・・・。)
で、食事と共に、B主導で勧誘が始まりました。
内容は以下のような感じでした。
・実力が同じなら、人生は「運」で決まる。それは
「祈り」によって得られるのだ。
・御仏への祈りから授けられる加護は、
「功徳」
・
「功徳」を受けられない人間は、人生に負ける
・Aも
「祈り」によって
「功徳」を得て、激変した。
・俺みたいな貧乏人がやれるんだからお金の心配は無い
・
創価学会はクソ
・・・まあ、この辺は笑いをこらえるので精一杯。
ですが、Aの体験談はもう・・・
・
「功徳」によって駅で100円を拾った。
・・・なんなんだお前は。
安いとかじゃなくて・・・お前それでいいのか!?
そう思いました。
もう、とにかくやってみろの一点張り。
ココに来て、おかしくなってしまったのか、楽しくなってきた僕。
「コレも経験か・・・漫画のネタに使えるかなあ・・・?」
そう思い、彼らに誘われるまま
「勤行」のレクチャーに。
なんか、用紙に名前とか電話番号とか住所とか書きました。
これが入信だったみたいで・・・
聞いてねえ
もう、ちょこちょこ騙して来るんすよ。
洒落にならねえ
僕、全然そんな気ないんすけど・・・とは言えず。
トイレ行くにも監視に来る。
逃げられず
正座で30分、お題目を唱えてきました。
もう、この頃には「失敗したー。ああ・・・失敗したー!!」と頭の中でエンドレス。
途中からは脚が痛ええええええ。のエンドレス。
参ったね・・・どうも。
帰りの車では、意気揚々とBが
宗教トーク
あの・・・勤行とか功徳とか・・・もういいんで、黙ってください。
まあ、知りたい人のために内容は、こんな感じでした。
・功徳で就職が決まる!!
お前ら自身が
派遣だろうが。矛盾してるだろうが
・テストのヤマがあたる!!
・・・さっきから、こじんまりしやがって・・・。
・活力に満ち溢れ、幸せ!!
僕は、さっきからあんたにメガドレインとどくどくを受け続けてますよ。
・・・はああああ、うぜえ。
とにかく帰りは、自己嫌悪とBの宗教トークでイライラしっぱなしでした。
ああ、あとこいつら、お守り禁止、他宗教の関係地にも入れないそうです。
「聞くの忘れちゃったけど、お守り持ってないよね?持ってると不信心になっちゃうからさ」
はははは。携帯ストラップの勾玉みしてやりましょうかあ?
今頃言うなっつの。
「Aクンなんか、持ってたお守り走って捨てに行ったモンね?」
「はい!こんなもんっ!!って感じですね。」
もういい加減にしろお前ら、面白すぎるんだよ。
別れ際に、次いつ会えるか聞かれました
あわねえwwwww
二度と会いたくねえ、A、てめえもだ。
「僕は、漫画の神に祈るんで・・・」
そういって帰ってきました。
この、根性をもう少し早く出すべきでした。
で、帰って調べてみたら
上でも書いたような、カルト宗教で事件も起こしているやばい連中だと分かったわけです。
もう・・・ね。真っ青ですよ。
しかも、最低なことに、こいつらには退会というものが無いそうで
自分で退会届をだして、とにかく無視するしかないそうです。
警察にも相談して、何かあったときはすぐに動いてもらえるようにしました。
まあ、決定的なことは出来ないというのが、もどかしく、不安です。
今のところは、何もありませんが、まだ分かりません。
とにかく、旧友の突然の誘いには今後乗らないようにしたいと思います。
皆さんもお気をつけ下さい。
じゃあ、少しまとめます。
奴らのやり口は・・・
・突然の連絡(食事が多いらしい)
・行ってみると知らない人間が居る。これが先輩会員。
・とにかく、入ること前提で話が進む。
・しつこい
中には、暴力的な手段をとる会員も居るそうなので気をつけてください。
対策としては・・・
・まず行かない
・知らない人が居たら、とにかく帰る。
・礼儀正しく断る
・無視
・住所、名前などは言わない
そして、僕のように被害にあってしまったら
・とにかく家族・警察に事情を話す
・退会届を出す。(書き方は、被害者HPに載っています)
・自分を勧誘した本人にも辞意を伝える。
・後は、とにかく無視。会わない、連絡も取らない。
まあ、こんな感じです。
結構、これらの作業は金もかかりますし、何より非常に強いストレスになります。
僕は、AとB、そしてこの世の新興宗教に恨み言を言いながら、作業しました。
滅べカルト。くたばれ教祖。地獄はお前のためにある。
最近は、中高生、大学生が特に狙われるようです。
気をつけてください。
ちなみに、僕を勧誘してきたのは
日蓮系のカルト。創価学会と険悪なデキの悪い兄弟。
顕正会です。
非常に不愉快な連中です。
どうか、お気をつけて。
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