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【2024/05/18 18:39 】 |
KAGEROU
 話題の本ですね。

15日に発売されて、予約分だけで40万部超。

発売してみたら
売り切れ店続出で、初日で累計60万部を超えたという噂です。

僕も、流行に乗って発売日に買いました。

一応、読み終わりましたので感想を書きます。
 

まず、基本情報をおさらいしますと

この本、「KAGEROU」は、第5回ポプラ社小説大賞の大賞に輝いた作品の単行本化になります。

作者は、斉藤智裕。
まあ、誰でも知ってますが、芸名・水嶋ヒロとしてモデルや俳優として活躍していた方です。

ペンネームが本名のようですね。

この作品が、大きな話題を呼んでいるのは
もちろん、人気俳優・水嶋ヒロが書いた小説であるからなのですが

そんなのは、芸人がベストセラー作家になっている世の中を考えれば、さして珍しくもありません。

一番の話題となっているのは、「水嶋ヒロとは明かさずに小説の新人賞で大賞を獲得した」という点です。

これは、いきなり単行本化の芸人小説とは違い
投稿→選考→新人賞受賞→単行本化、という小説家デビューの王道を経ているということになります。

人気芸能人・水嶋ヒロとしてではなく、一介の小説家志望の青年・斉藤智裕としてデビューする。

言うなれば、出版社に文学的価値と商品価値を公式に認められた作品となるわけです。

まあ、出版社的に大きく違うのは
芸人小説なら、つまらなくても責任は小さいが
水嶋ヒロの小説は、つまらなければ、責任重大ということです。

新人賞ってのは、才能の発掘ですからね。
未来の看板作家を探すための賞なわけですから
それで、ポンコツ探すような出版社には未来なんか無いのです。

ですから、芸人小説がポンコツでも、それは企画力と営業力が無いだけですが(それも大きな問題ですが)
この「KAGEROU」がポンコツだと、ポプラ社の出版社としての根本的な能力(センス)にも、話が向いてしまうという点で、この作品は、重要なのです。

とまあ、おりこうさんに話すとそうなるのですが

まあ、要するに、この話題の一番の焦点は
ヒロさん、マジパねぇっス!!
てことなわけですよ。

イケメン
高学歴
スポーツ万能(特にサッカー)
英語に堪能
俳優やモデルとしても人気があり
嫁は、有名ミュージシャン

で、小説でも新人賞獲っちゃうと・・・はああ。
ココまで来ると、一体何が出来ないんすか?ヒロさん。って感じですね。

つーことで
まあ、今年屈指の話題であると同時に、今年屈指のやっかみの対象になったのです。

「出来レース」
これは、この作品を語る上で切り離せないワードです。

そもそも、ヒロさんは、執筆活動へ専念するため、今年の9月に芸能活動を一時休止していました。
そして10月、このニュースが飛び込んできたわけです。

「作品は本名で投稿され、大賞受賞が決定した後、編集者が会いに行ったら、なんと水嶋ヒロだった」
と、まあ、そのように経緯は説明されています。

うーん。
どう考えても怪しいタイミングです。

小説自体は6月に投稿したらしいですが
どうなんでしょうねえ。

6月投稿→大賞決定→9月受賞を知り、執筆活動に専念→10月、発表

と、好意的にみればこうなります。

しかし、色々なタイミングが、どうにも怪しいことと
イケメンが何もかも手にしていくのか・・・チクショオオオオオオオ!!
というやっかみから、出来レースと言われていたわけです。


まあ
基本情報は、コレくらいにして
感想を書きたいと思いますが、その前に言っておかなくてはならないことがあります。

僕は、水嶋ヒロが嫌いではありません。

むしろ、好意的に見ているくらいです。
ファンとまではいきませんけどね。

今回の受賞に関しても、何でも出来んのか・・・と思いはしましたが
まあまあ、この人なら無い話じゃないと思いました。

と、いうことで

僕は、この作品をアラ探ししながら、つまらなく読んでやろうという、やっかみ視点では読んでません。
また、ヒロさんの小説なら何でも面白いわ~、というファン視点もありません。

なんの先入観もないかと言われれば、そうではありませんが
それほど期待もしていませんでした。

それをまず、お断りした上でこの作品の感想ですが











面白くはありません。

コレまでの受賞作を読んでいないので、正確には分かりませんが、少なくとも僕の判断では
大賞を受賞するような作品でも絶賛される作品でもないです。

まあ、まず出来レースでしょう。

ポプラ社は、なぜこの作品を新人賞受賞作品として出版したのか・・・
問題は、そこです。
いや、そこだけです。

それさえなければ、芸人小説と同じ立場で出版されたはずです。
さほどの注目も受けず、これほどのやっかみも受けず、
Amazonのレビューの方が面白いと言われることもありませんでした。

ポプラ社は間違いを犯しました。

金儲けをしたいなら、もう少しやり方があったと思います。


・・・では、少し詳しく感想を書いていこうと思います。

「KAGEROU」は236ページの作品です。
1ページあたり14行でしたから、17行前後である一般小説よりは少なく
普通の小説ならば、190ページ前後でしょうか。
僕は、1時間半ほどで読み終えました。早くも遅くもないでしょう。

ただ、重要な点は
最後まで読ませる作品では、あったということです。

そこは、とても大事です。
そこを満たしていないと、評価の対象にもなりませんから。

僕は、読み終えることができる作品に最低評価はつけません。
Amazonで言えば☆1つはつけないということです。

つけるとしたら
まあ・・・☆2・・・2.5・・・その辺でしょう。

ですので、まあ・・・良い所は、ほとんど無いです。

一番心配だった文章力は、冒頭に無駄な描写や稚拙さを感じるものの
だんだんと書き慣れていって、最後には、ほとんど気にならなくなります。
なので、別に評価を上げ下げするような事にはなっていません。

ただ、この文章を読んで、「ああ、これはヒロさんの文章なんだろうな。」と感じることが出来ました。
まあ、僕は良い意味にとりましたよ。うん。

で、ストーリーですが
臓器移植を題材に、自殺志願の主人公が命のあり方、自分が自分である理由に気づいていくヒューマンドラマです。

・・・小説は、語れるほど読んでないので分かりませんが
オリジナリティは、あったんじゃないかなあ?多分。
臓器移植後の話はあっても、臓器移植の過程の中でストーリーを回していくというのは、新しいかもしれません。

ただ、展開がのろい。
最初のシーンにあんな尺はいらないし、盛り上げどころがどこだかイマイチ分からない。
読者を驚かせようという工夫があったのは、好感を持てたんですが
出すだけ出して、それがどういう意味を持っているかが分からない。
しっかりとした着地点があって、驚きは感動に変わるわけですから、そこはもう少ししっかりしてほしかった。

ただ、自分の考えはしっかり書いていたので、メッセージ性はありました。

ですが、やはり全体的に構成力がイマイチ。
映画化を視野に入れて書いたということでしたが、小説と映画は違います。
映画のストーリー展開の割合で小説を書いたらえらいことになります。
映像と文字では情報量に差がありすぎます。
そこを、あまり理解していないように思いました。

キャラは、多分、一番出来ていたものだと思います。
魅力的かといわれたら、悩みますが
まあまあ、キャラは立っていました。
ただ、主人公は、少し精神年齢が実年齢に比べ低すぎる気がします。どう見ても20代が良いとこ。
あと、ヒロインがとても重要なのに、出すのが遅すぎますね。


うーん。今、考えると本当に良い所が無い。

ただ、全体をみると、作品として成り立ってはいるんですよね。
多分この辺は、ドラマや映画に出ていた経験と感覚が働いてるのかもしれません。

まとめると

受賞は出来レースです。
しかし、悪いのはポプラ社であって、ヒロさんではない。
そう思っています。

作品自体は、非常に拙い。
文章は最終的には、並程度には落ち着きます。
設定には、多少オリジナリティを感じますが
構成力に難あり。
キャラは、立っていますが魅力は微妙。
メッセージ性はある。

ということで
改善点は腐るほどありますが
やはり、構成力はどうにかしてほしい。
個人的には、この設定なら、同じ設定の短編を2~3本という連作形式の方が良かったように思います。

当然、他人にオススメは出来ないです。
多分、最初の50ページが鬼門でしょう。
くどい状況説明と世界観説明がダラダラ続いて、かなり退屈です。

ある程度、最後まで読もうという気合が必要です。
僕は、期待はしてなかったものの、この気合だけはしっかりと持ってましたので。

ただ、幸か不幸か、とてつもない話題作でベストセラーです。
話題に上ることは多いでしょう。

ですが、その時、読みもしないのに酷評するようなことは、いかんとおもいます。
せめて、読もうという気持ちを持って、一応、読んであげてください。
その結果、最後まで読む価値が無かったとなれば、それは仕方ありません。

それもしねえで酷評するなら、ポンコツはてめえだ。

それは、肝に銘じてください。

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【2010/12/16 23:57 】 | 読書 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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