
古屋兎丸(ふるや うさまる)先生がジャンプSQ(集英社)で連載していた作品です。
全3巻。
高校を舞台にした、ヒューマンドラマ。
人の悩みが、絵となって見える主人公が、クラスメイトたちのトラウマや悩みを解決していく物語です。
全3巻ですので、すっきりと終わって、集めるのも簡単です。
余り読む時間はないけど、面白い漫画がないかなと言う方にオススメです。
当然、時間がある方にもオススメです。
以下、概要と個人的な感想。
古屋兎丸先生は、漫画藝術家の聖地的雑誌「ガロ」の出身です。
「ガロ」は、まあググって下さい。
一言で言えば、超変な漫画のみで構成された漫画雑誌です。もう無いですしね。
でも、今でも有名な作家さんをいっぱい輩出した凄い雑誌だったんです。
今は、「アックス」という雑誌が、その代わりになってます。
古谷先生は、美大出身の元美術教師と言うことで、素晴らしく絵が上手いです。
本当に上手い・・・。凄いですよ。癖はありますから、好みは分かれるでしょうけど。
でも、若干マイナーというか、アングラな印象の作家さんだったので、
正直、SQで古屋先生が描くと知って驚きましたね。
だって、絶対少年漫画描かないでしょうし、これは・・・すげえことになるぞと。
で、この作品が始まったわけです。
1話目から、もう凄い凄い。
最近は、印刷技術が発達して、鉛筆描きでも原稿製作が出来るようですが、それは、あくまでインク描きのようなものを鉛筆で再現しているに過ぎません。
だけど、この作品は、鉛筆の表現力というものが原稿にそのまま出てるんです。
デッサンやスケッチなど、少しかすれている様な、あのなんとも言えない味のある画面が、漫画に再現されているわけです。
これが、素晴らしい。
それもこれも、古屋先生が絵をしっかりと専門的に学んできた方だからこそ出来る芸当ですね。
話も面白いんですが、もう、絵だけで読む価値がある。そんな作品です。
・・・えーと、何書こうかな・・・。
いつもね。内容についても色々と話そうと思うんですけど、ネタバレがねえ・・・好きじゃないんですよ。
僕は、されても気にしないんですけどね。
やっぱり、しないほうが楽しめるのは確かですしね。
うーん。
まあ、中編作品なので、長編のような伏線をはって、時間かけてキャラ作って、という作品ではありませんので、感動という点では、それらの傑作に比べれば、あまり大きな作品ではありません。
ですが、しっかりとしたストーリー、抜群の作画・表現力は、短いながらも読者を作品世界に連れ込む力を十分に持っています。
ヒューマンドラマなので、じんわりとした気持ちにもなれますし。
短い時間で読めて、しっかり面白い。
ジャンプの打ち切り作品のように不完全燃焼ではない、これが、本当の傑作中編漫画と言うものです。
面白いですよ。
是非、手にとって見てください。
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