「告白」
テーマの重さと映像の迫力が、非常にマッチした凄まじい映画でした。
この映画、怪物しかいねえ。
「ねえ見てテンマ!ぼくの中のモンスターがこんなに大きくなったよ!」って感じ。
愛情、憎悪、人間は、危ない怪物の幼生をたくさん飼っています。
怖い怖い。本当に怖い。
こんなに怖い映画は久しぶりに見ました・・・。
中学校を舞台にした映画なので、役者さんも若い人が多かったんですが、いい演技してました。
いや・・・演技の上手い下手は、わかんないですけどね。
でも中学生特有の、なんか痛くて、見てるだけで腹が立つような立ち振る舞い。
「・・・ああ、それっぽいな」と僕は思いました。
あと、この作品は、劇場で観ることをオススメします。
映像作品において音楽が重要なのは当たり前ですが、この作品は、人の内面をグリグリする性質のため、ある程度の音量と視界いっぱいの画面というのは、作品への移入を深めてくれます。
この手の邦画は、どうせ、DVDになるとやたらと小さい音声で収録されるんです。
それじゃ、いかんのですよ。
劇中で何度か絶叫するシーンがありますが、音が腹に響くと、一緒に心まで震えるようでした。
やっぱり、映画館で観るべき映画ってあるんだな、と思いました。
DVDを待とうとか思ってる人は、出来るだけ都合付けて映画館に行ってください。
きっと、すごい衝撃を受けると思います。
テーマ上、「面白い!」って言えない作品ですが、グイグイ引き込まれて、色々と叩きつけられる作品です。
観て損はしない。
それだけは言えます。
で、ネタバレするとつまんなくなってしまうので
本作のテーマである「命」について、感想を交えながら、書きたいと思います。
「なぜ、人を殺してはいけないのか」は、命を語る上で一番ポピュラーな問題でしょう。
僕は、この疑問を持つ年頃を「中二病」と呼んでいます。
だって、人を殺してはいけない理由なんて、一つじゃないですからね。
人権や倫理はもちろん。
相手と自分の立場、損得勘定など、一つ一つは解決できても、すべてが一辺に解決することはありません。
そして、どれか一つでも引っかかれば、人殺しなんてするもんじゃない。
そう思うはずです。
人それぞれ違った理由があって、「やらない」・「いけない」のだと思うわけです。
この疑問は、徹底的に自分を中心に世界を見ている「中二病」だからこそ、出てくるものです。
正直、答えが出るまで勝手に悩んでろって感じです。
でも、中には行動力があったり、判断力がない奴らがいるわけです。
不思議なことに「中二病」が最も発生しやすい時期に、日本は、殺人者としてその時期の少年・少女を罰せません。
この映画は、この問題点がきっかけになっています。
多分、経験上、少年時代こそ最も他人の命が軽い時期です。
こりゃあ、いかんですよ。
まあ、国の未来とか考えたら、そうするしかないのでしょうけど、殺人は殺人ですよ。
子供は、熱い鉄です。表現は悪いですが、たたけば形を直すことは出来るはずです。
結局、この映画は、「思い知らせる」ということしかできませんでした。
エンターテイメントとしては面白い、でも、多分、現実にはもっと考えなくてはいけない問題のように思うのです。
ああ・・・あとヤンキー先生批判がすごいです。・・・金八もかな?
熱血なんて、見栄えだけ、現実には役に立たない、寧ろ逆効果。
悪である。
もう・・・ね。取り付く島もないくらいザックリいってます。
まあいいか、ヤンキー先生は、もう「学校の」先生ではないですもんね。
・・・なんか、ちょっとネタバレしてますかね?
うーん。
でも、こんな長い文章を書きたくなるほど、衝撃的な映画であったということは、伝わったかな?
まあ。いいや。
観たら感想とかコメントしてくれるとうれしいですね。
では。
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