○スパイダーマン2
映像 |
10点
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ストーリー |
8点 |
キャラクター
|
8点 |
音楽 |
8点 |
魅力 |
9点 |
総合得点 |
43点 |
感想
<あらすじ>
スパイダーマンとなって2年。
ピーターの生活は、圧迫され続ける。
ついに想いの通じ合ったMJとも、彼女を危険に晒してしまうことを考えると一緒にいることは出来ない。
バイトは遅刻の連続でクビになるし、折角入った大学も落第の危機。
そんな彼に、舞台女優として活躍しているMJは、恋人の存在を告げる。
大きなショックによって、ピーターはスパイダーマンとしての力を失い始める・・・
前作で、主要キャラの下地は作られているため、ストーリーとさらなるキャラの掘り下げに力を注げることになり、格段に面白くなっています。
ピーターの苦悩は、前作からの2年でさらに深くなっており、それが人生を左右するところまで来ています。
とにかく踏んだり蹴ったりのピーター。
彼は、ヒーローなのに一切報われない。
新聞には、偽善者の悪党と書かれ、バイトや学校も上手くいかない。
アパートの大家には、常に追い出すぞ!と脅しをかけられ、家賃を催促されます。
そんな中で、MJには新しい恋人が出来、夢をかなえつつもある。
彼の私生活は、ズタズタです。
また、ヒーロー部分のストーリーでは、友人ハリーが、ピーターの尊敬する科学者Dr.オクタビアスと組んで、世界初の核融合実験に挑もうとしていました。
しかし、結果は失敗。
その事故でオクタビアスは妻を失い、自身の開発した高性能アームに精神を乗っ取られ、核融合実験の完成という目的を果たすことのみに執着した怪人と化します。
このオクタビアスは、中々良い敵キャラで、前作のグリーンゴブリンに比べて魅力があります。
失意の研究者が執念の怪人に変身するなんて、70年代ですが、格好いいじゃないですか。
彼にも感情移入が出来ますし、強いので敵キャラとしてはバッチリです。
キャラと言えば、MJも前作ほどのウザさはなくなりました。
といっても・・・いまだに可愛くはありませんが。
ただ、前作では彼女のフラフラとしたビッチぶりにイラつきましたが
今作では、その行動にしっかりとした恋する乙女を感じられました。
しかし、恋の駆け引きを仕掛ける彼女にイラッとするのは僕の心の狭さでしょうか・・・
気持ちは分からないでもないけれど・・・「追いかけて欲しいのよ、止めて欲しいのよ」と尻を振っているかのような、あの行動・・・もう少し可愛げのあるキャラでなくては我慢なりません。
僕的には、ピーターのアパートの管理人の娘は可愛いかった。
彼女にしようよ、ピーター・・・。
まあ、なんにせよ。
キャラの魅力が前作とは段違いなので、とても面白い。
そもそもストーリーは良かったので、それにプラスされる形で面白さが増しています。
そして特筆すべきは、映像の素晴らしさ。
スパイダーマンの代名詞、糸を出してターザンのように高層ビル街を飛び回るシーンは、前作から比べ物にならないほど進化しています。
スピード感がまるで違う。
また、構図の上手さも光りました。
テンポのよい躍動感溢れる画面構成は、ストーリー展開にまで軽快なテンポを与えています。
アメコミ作品と言うことで、常にキャラクターが格好良く見えるよう、イラスト的な構図でキャラを見せるのも素晴らしく格好いい。
個人的には、MJの舞台の受付でのシーンは良かった。
チケットを渡して入場するという出来事をあんなに格好良く見せるとは・・・。
映像については、文句ないです。
作品を通じて、「何かをなすには、それ一つに集中しなくては成せない」
というメッセージを感じることができました。
これは、悩めるピーターを救う、助言であり、現実でも一つの真理です。
この作品を特に好むであろう若年層に対するメッセージとしても、良かったと思います。
前作から素晴らしい進化を遂げていました。
とても面白い作品です。
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