○コクリコ坂から
映像 |
8点
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ストーリー |
7点 |
キャラクター
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9点 |
音楽 |
10点 |
魅力 |
9点 |
総合得点 |
43点 |
感想
<あらすじ>
松崎海は、朝鮮戦争中に事故で死んだ、船乗りの父を想い、今でも信号旗を掲げる。
それが、父が航海から無事に帰る「おまじない」だと教えられたからだ。
大学教授で渡米中の母の代わりに、祖母が営む「コクリコ荘」の家事をこなし、高校に通っている。
ある日、海は校内新聞、週刊カルチェラタンに自分のことを書いていると思しき詩を見つける。
どうやら風間という人間が書いたものらしい。
その少年、風間俊は、一学年上級生であり文化部塔「カルチェラタン」の取り壊しに反対する組織の中核を担う人間であった。
さる行動で、一躍ヒーローとなった彼は、女子にも大人気。
海の妹、空も例外ではなく、俊のブロマイド写真にサインが欲しいという空の願いに、同行したことから、俊との交流が始まり・・・
すごく面白かったです。
前作、ゲド戦記が嘘のような完成度。
個人的な趣味にもあっていた事もあり、とても楽しめる映画です。
要は、カルチェラタンという文化部塔の取り壊しに反対する活動を通して
海と俊が心を通わせていくという物語なのですが、単純ながら爽快なストーリーになっています。
一昔前の恋愛物にありがちな展開で、全体的にあっさりしているのですが、キャラクターがとても爽やかで魅力的なため、むしろこのようなストーリーでこそ映える気がします。
ゲド戦記では、ジブリらしからぬ絵の表現力のなさに失望しましたが、今回は大丈夫。
カルチェラタンの内部のデザインなどは、秀逸で見ているだけで心が躍りました。
キャラクターは、やはり、すこしあっさりした印象を受けますが、そこが今回の爽やかな内容にあっています。
なにより、女の子がとても可愛い。海をはじめ、魅力的な女性が多いです。
表情も良く描けていて、言葉では表さない心の動きが見て取れます。
やはり、この表現力こそがジブリ。流石です。
音楽は、ほぼ完璧といってよいのではないでしょうか。
あるべきところで、あるべきBGMを使っていた印象です。
坂本九の「上を向いて歩こう」が当時の世相を、よく表現していたように思います。
手島葵の歌声も、相変わらず素晴らしいものでした。
まとめます。
ストーリーについては、特筆する点はありません。
しかし、キャラクターの爽やかな魅力と相まって、テンポのいい明るいストーリーになっていると感じられました。
絵は、キャラデザなどが優れ、少々あっさりしているものの、流石の表現力でした。
音楽も、良い仕事をしていたと思います。
少年少女の爽やかな恋愛物というジャンルでは、かなり完成度が高いものと感じられました。
ただ、ジブリを語る上で作品のメッセージ性というものがあります。
それについては・・・ないんじゃないかな。僕は特に感じなかったです。
系統的には「耳をすませば」に近いですが、こちらの方がテンポ良く仕上がっていて、内面のアレコレはどうあれ、個人的にはこちらの方が好きです。
観ていて、とてもスッキリしましたし、爽やかな気持ちになれました。
いや、いい作品でした。
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