○カーズ
映像 |
9.5点
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ストーリー |
9点 |
キャラクター
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9点 |
音楽 |
10点 |
魅力 |
9点 |
総合得点 |
46.5点 |
感想
<あらすじ>
車たちが人間のように暮らす世界。
アメリカでは、カーレース?のピストンカップが大人気。
しかも、今期は大波乱。
キング・サンダー・ライトニングの3台の車が最終戦で同率首位。
そのゴールでも、決着がつかなかった。
その為、異例の王者決定戦が、1週間後カリフォルニアで開かれることになった。
主人公ライトニングは、傲慢な性格で上昇志向が強く、他人を信じない一匹狼を気取っている。
そのため、常にピットクルーと問題を起こし、最終戦では、遂に全てのクルーが怒って辞めてしまうという事態になった。
しかし、本人はそんなことは全く意に介さない。
誰よりも早くカリフォルニアに着き、優勝者が契約できる大企業ダイナコ石油と親交を深めようと企み、輸送車に無理を言う。
だが、そのツケがまわってきて、彼は道中、コンテナから落とされてしまう。
そうして、彷徨うままたどり着いたのは、高速道路の開通によって地図から消されたルート66とその道路沿いの寂れた町、「ラジエータースプリングス」であった・・・
正直、ピクサー作品の割には、ありがちな話です。
しかし、同じような話を作れば、ピクサーのこだわりの脚本と画面の力が爆発。
素晴らしく面白い作品となります。
傲慢な若者が、出会いを通して成長していく物語。
王道にして使い古しの内容ですが、圧倒的な安定感と面白さ。
ここにピクサーの実力を感じます。
相変わらず、画面は完璧に近い。
3DCGでなくてコレをできたら、10点文句なしに差し上げるのですが・・・
でも、いつものソフビ人形のような質感ではなく、車の持つどっしりとしたメタリックボディを精巧に再現し、車体に写りこむ風景までも書き込むという、徹底した作り込みには、頭が下がります。
まあ・・・いつもの事ながらキャラクターデザインは、イマイチ。
いや、個人的な好みなので、素晴らしいデザインだと言うのは分かっていても・・・
どうしても、気持ち悪さを感じてしまいます。
あんなに車を生き物的に描きつつ、車としての重厚感というか、リアルさも忘れない。
このこだわり・・・凄いし、それが成っているデザインが最高でないはずはないのですが、なんなんすかねえ・・・あの気持ち悪さは。
そもそも、僕はディズニーが余り好きではありません。
その絵の魅力、動き、圧倒的な表現力、それは凄いと思いますが、逆に言えばその全てが僕の好みからは外れているのです。
関節も骨も感じさせないぐにゃぐにゃのキャラ、それに根ざした動き、無意味に目をパチパチさせるなどの強烈過ぎる表現力。すべてがやりすぎ感を出しています。
観ていて、なんか・・・イライラしてくる。
まあ、その辺は、面白い作品であれば、気にならないレベルなのですが
結局、ディズニーの金に意地汚いところが僕は嫌いなのですね・・・。
著作権は大事だけど・・・懐が狭いよなあ・・・奴らは。
話がずれました。
しかし、ピクサー作品は、そういったディズニーのデザインを踏襲し、若干僕の好みを外してきているのにもかかわらず、心のそこから感服する作品作りをしてくれる人々です。
デザインは気に入りませんが、表現はディズニーよりもっとスマートで的確ですし、なによりストーリーにご都合主義がない。
素晴らしいです。
見習えディズニー。
まあ、その全ては、キャラを魅力的に見せる腕力ある演出にあります。
作品は、結局腕力なのです。
緻密に計算され、ペルシャ絨毯のように、緻密な模様を描いていくかのような、繊細な作品作りもありますし、それもすごい作品を生み出しますが、やっぱり、ご都合主義やトンデモ理論、そういうものがあってこそのフィクションです。
それを視聴者に無理にでも納得させていく、ゴリゴリと押すように、与えたい感情を刺激していく。
そんな「腕力」こそ面白い作品の唯一といっていい要素だと僕は思います。
ピクサーにはそれがあるし、カーズにもそれがある。
ありふれた作品なのに、その徹底した物造りで、観る人の気持ちを無理やり持っていく腕力をもった作品です。
続編もやるので、是非、このカーズを観て劇場に足を運んでみるといいんじゃないかな。
では。
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